2014年 02月 15日
医療と介護の連携について |
昨年末に地域医療がどのように機能し、どのような課題を抱えているのか、それを実体験として知るために、在宅医療をしている医師訪問診療に同行させてもらいました。
小型車に医師と同乗し、山奥の細い道を走って、寝たきりの高齢者を介護しているお宅に伺いました。医師は、日常会話の合間に、容態に変化はないか?と家族と寝たきりの高齢者の両方にさり気なく尋ね、聴診器をあて体温や血圧を計りながら診察をしていきます。そして、残薬のチェックをして、薬を飲むのに不都合はないかと聞きながら、薬の処方箋を書いて、すべての診療が終わりました。
数軒ご一緒しましたが、判で押したように同じような医療行為が繰り返されていました。「在宅の医療の主役は、診療よりも、「薬のコントロール」だった!」この事が、薬剤師でもある私には正直驚きの発見でした。
その記憶が鮮明に残っていた時に2014年通常国会に提出される予定の「医療・介護制度の改正」について、自民党内で話し合いが行われました。「地域包括ケアシステムの整備」を図式化していた書類には、左に医療、右に介護があり、中央に「地域包括ケアシステム」と太枠で書いてあり、その周りにはいくつも「連携」という文字が、踊っていました。その図を俯瞰してみると、肝心の「連携」をする主役が抜けていることに気づいたのです。
医療は医師をはじめとする薬剤師を含む多くの医療従事者、介護はケアマネージャー。では、「地域包括ケアシステム」全体をマネージメントする責任者は誰?と。医療と介護に欠かせないものは・・・「薬」!!! ・・・だとすれば「薬剤師」が適任ではないかと思えてきたのです。
一旦高齢者が体調を崩せば、看病に加えて医療・介護という制度の違いから発生する手続きの煩雑さが家族を襲います。そして終末期に差し掛かるほど、医療と介護の行き来がより一層激しくなり、それは本人だけでなく家族にも過重な負担をかけてしまいます。
医師は介護が分からず、ケアマネは医療が分からない。両方に関わり目配りできる職種は、「薬剤師」を置いては存在しないのではないでしょうか。
在宅に薬剤師がもっと積極的に取り組むべきとの方針もありますが、今の在宅の現場では、医師や看護師の後塵を拝してしまって入り込む隙間が狭いのが残念ですが現実でもあります。
しかし、「医療と介護の橋渡し的役割を薬剤師が担う」となれば、より薬剤師が在宅に取り組む必然性が出てくるのではないでしょうか。
10年後、20年後の薬剤師は、薬を通して、医療と介護の橋渡しを行う。薬局でも、在宅でも、対面こそが薬剤師の存在価値を高め、常に患者さんの気持ちに寄り添うのが薬剤師の仕事。このように定義付けると、薬剤師の職域も随分広がってくるように思えます。現在の6年生薬学教育も、例えば増えた2年分を「介護」の勉強にあてていくと、6年生になった意味がより出てくるのではないでしょうか。
私は薬剤師の政治家として、この挑戦を具現化していきたい・・・今年はその道筋をつけていきたいと考えています。
小型車に医師と同乗し、山奥の細い道を走って、寝たきりの高齢者を介護しているお宅に伺いました。医師は、日常会話の合間に、容態に変化はないか?と家族と寝たきりの高齢者の両方にさり気なく尋ね、聴診器をあて体温や血圧を計りながら診察をしていきます。そして、残薬のチェックをして、薬を飲むのに不都合はないかと聞きながら、薬の処方箋を書いて、すべての診療が終わりました。
数軒ご一緒しましたが、判で押したように同じような医療行為が繰り返されていました。「在宅の医療の主役は、診療よりも、「薬のコントロール」だった!」この事が、薬剤師でもある私には正直驚きの発見でした。
その記憶が鮮明に残っていた時に2014年通常国会に提出される予定の「医療・介護制度の改正」について、自民党内で話し合いが行われました。「地域包括ケアシステムの整備」を図式化していた書類には、左に医療、右に介護があり、中央に「地域包括ケアシステム」と太枠で書いてあり、その周りにはいくつも「連携」という文字が、踊っていました。その図を俯瞰してみると、肝心の「連携」をする主役が抜けていることに気づいたのです。
医療は医師をはじめとする薬剤師を含む多くの医療従事者、介護はケアマネージャー。では、「地域包括ケアシステム」全体をマネージメントする責任者は誰?と。医療と介護に欠かせないものは・・・「薬」!!! ・・・だとすれば「薬剤師」が適任ではないかと思えてきたのです。
一旦高齢者が体調を崩せば、看病に加えて医療・介護という制度の違いから発生する手続きの煩雑さが家族を襲います。そして終末期に差し掛かるほど、医療と介護の行き来がより一層激しくなり、それは本人だけでなく家族にも過重な負担をかけてしまいます。
医師は介護が分からず、ケアマネは医療が分からない。両方に関わり目配りできる職種は、「薬剤師」を置いては存在しないのではないでしょうか。
在宅に薬剤師がもっと積極的に取り組むべきとの方針もありますが、今の在宅の現場では、医師や看護師の後塵を拝してしまって入り込む隙間が狭いのが残念ですが現実でもあります。
しかし、「医療と介護の橋渡し的役割を薬剤師が担う」となれば、より薬剤師が在宅に取り組む必然性が出てくるのではないでしょうか。
10年後、20年後の薬剤師は、薬を通して、医療と介護の橋渡しを行う。薬局でも、在宅でも、対面こそが薬剤師の存在価値を高め、常に患者さんの気持ちに寄り添うのが薬剤師の仕事。このように定義付けると、薬剤師の職域も随分広がってくるように思えます。現在の6年生薬学教育も、例えば増えた2年分を「介護」の勉強にあてていくと、6年生になった意味がより出てくるのではないでしょうか。
私は薬剤師の政治家として、この挑戦を具現化していきたい・・・今年はその道筋をつけていきたいと考えています。
by naomitokashiki
| 2014-02-15 15:34
| 活動報告